A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 3
CHAPTER.1
ミュージックステーションで活躍する女性スタッフたち
― 山本先生は、講義で毎回ミュージックステーションの制作現場の映像を講義資料として提供されていますが、それがいつも新作ですね。
山本たかおさん(以下山本と敬称略):我々はテレビ屋なので、学生に伝えたいことを得意な映像で、番組のように見せることで、よりわかってもらえると思っています。実は、現場の裏側はこれまでどこにも出してはいません。夢を与える世界のプロとしては、裏を見せてはいけないのですが、メディア学部で、業界に興味を持ってくれている学生の皆さんは、将来我々と一緒に仕事をしてくれる人もいるので、制作現場は見て欲しいですよね。
― 今回の資料では初めて女性のディレクターの方がクローズアップされ、彼女の仕事ぶりを中心とした内容でした。バリバリに仕事をする姿は、もちろん男子にもですが、特に女子学生にはインパクトが強かったように思います。
山本:女性の力がディレクターの業務にも必要になってきた時代とも言えます。本人がそれなりの傑出した人物だったのかもしれないのですが、ミュージックステーションの28年の歴史で初めて女性がディレクターになりました。
― それは凄いことですね。
山本:テレビ朝日の全社員における女性の比率は、とても少ないと思います。特に制作一部に限るとわずかです。しかし、入社試験の面接で、優秀な人は女性の方が多いときもあります。
― エンタテインメント業界では、最近女性の活躍をよく聞きます。女性の優秀さが目に見えて明らかになってきているのではないでしょうか。
山本:そうだと思いますよ。優秀だし仕事に対する姿勢も厳しいですよね。今回登場してくれた彼女は入社10年目で、うちにくるまでは他のバラエティ番組に携わっていたので、ミュージックステーションに来てからは5年くらいです。今、ディレクターは彼女を含めて3人いて、あとの2人は男性です。今後どのように成長していくのか興味深く見ています。
― これまでのミュージックステーションで女性の活躍ぶりはいかがですか?
山本:何年か前に美術スタッフで、女性デザイナーがチーフになって、スーパーライブの大きなセットを描いたことがあります。そのときに感じたのですが、女性らしい細かさが出るんですよね。やわらかい線とかきめ細かさとか、女性がセットを描くとこうなるのか、いいなと。ですので女性らしさの演出として、女性のディレクターならではのものが出てくるのではないかなと思っています。
― 体力的にはどうなんでしょうか?
山本:昔はディレクターを目指しているとか、テレビマン志望の人は体力勝負という感じがありましたが、今は男性と張り合うより、女性ならではの感性に目を向けています。例えば、若い女性のアーティストからは、毎日お洒落して仕事をしている女性ディレクターとは、ファッションの話題から入れるから、親しみやすいという声も上がっていますし、こういう部分はやっぱり女性ならではです。そういうところがきっと、そのうち画面に出て来るだろうと期待しています。
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