×

会員ログイン

ログイン名
パスワード

A.C.P.C.アーカイブ限定コンテンツ A.C.P.C close up

A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
ゲスト講師リレーインタビュー (東京工科大学)season 5

土屋敏男さん
Interviewee

REC.001 土屋敏男さん

日本テレビ放送網株式会社 日テレラボ シニアクリエーター

プロフィールの詳細


CHAPTER.1
メディア企業は「どう生き残るのか?」

― 土屋敏男先生(以下土屋と敬称略)は、どうしてテレビ局に就職なされたのですか?

土屋:大学のときに学園祭でコンサートのプロデュースをやって、それまではプロを招いていたけど、僕のときに学生だけで寮歌やそれまで門外不出の伝統歌などを歌うクラブ対抗歌合戦をやりました。このとき、みんなが面白がっている姿を見て、人を楽しませる仕事っていいなと思って。それで当時、まわりを見渡したときにテレビが一番近い仕事だったということですね。

― 本日は「テレビは本当にオワコンなのか?」というテーマでお話されましたが、学生の印象はいかがでしたか?

土屋:僕は、ここ10年間いろいろな大学で講義をする機会があり、ここの学生がと言うわけではなく、よく草食系って言いますけど、何となく若い人たちの全体的なエネルギーが緩やかに落ちているんじゃないかという感があります。そのなかで今日の学生たちは結構手を挙げ熱心に聞いていただいたと思います。

― 土屋先生は、視聴率30%を超えるなど、これまでに様々なヒット番組を手掛けておられますが、番組はどのような発想からつくり出すのですか?

土屋:僕は、経験ももちろんあるけど直感みたいなものを活かしつつ、アイデアの最初の部分で言えば、次にどんなものが当たるかからスタートするのではなくて、今ないものでスタートすることを心掛けています。番組は会社の商品として出すわけですが、制作側は心のどこかで見た人の人生を豊かにすることを信じて番組をつくっていますよね。

― そのアイデアはどうのようにしてつくられていくのですか?

土屋:何かを発想しているときに、そんなことをやると言ったら大変だとか、誰もが制限するクセをもっていると思うんです。自分が自分にささやいて諦めることがあると思います。そうすると面白いアイデアは出てきません。ですから僕は、自分に何の制約もつけないで自由に発想するようにしています。自粛しないで、自由に広げ、それをアウトプットするときに今ないものをつくる覚悟ですね。当たるかどうかとは最後に考えます。

― 「世界はプラット・フォームの時代からコンテンツの時代になった」という講義のなかで、メガヒットとなった『シン・ゴジラ』(インタビュー時点で興行収入70億円)、『君の名は。』(インタビュー時点で154億円)の売上がマーケティングの予想を超えるものになったことをお話になりましたが、土屋先生はマーケティングをどのように見ていますか?

土屋:マーケティングは基本的に外さないための方法だと思います。結果、当たるものもあるし当たらないものもありますが、外さないことも大事だけど、爆発的に大当たりすることがないとつまらないですよね(笑)。
僕は、産業の進化というのはやっぱり爆発であることだと思うし、アップル・コンピュータをつくったスティーブ・ジョブズさんは凄いエネルギーを出して、周囲が巻き込まれて革命が起きてしまった。彼は妄想家だったと思うし、それを許容する社会が人類社会の進化ですから、マーケティングからは計れない。例えば、企業の感覚だとコンスタントに毎年のアルバム・リリースをお願いしますといった論理がありますが、「人間活動」に専念して音楽活動を停止していた宇多田ヒカルさんの復活は、一回立ち止まったことで『花束を君に』ができた。コンテンツはテクノロジーとマーケティングと異なり数値化できない要素があるんですね。「何が売れるか?」(視聴率・部数)だけではなく「何が面白いか?」(クリエイティブ)「何を伝えるべきか?」(ジャーナリズム)を内包しプライドを持ったビジネススキームの構築が、これからのメディア企業の生き残りに関わってくると思います。

ページトップ

Copyright©ACPC. All rights reserved.