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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 6

吉田雄生さん
Interviewee

REC.004 吉田雄生さん

(株)ワタナベエンターテインメント 取締役 第二マネージメント本部担当役員

プロフィールの詳細


CHAPTER.2
音楽専門チャンネルMTV(Music Television)とYouTube

講義は60年代、70年代のミュージック・ビデオの名作が今もアーティストたちにリスペクトされ影響を及ぼしていることを話し、続いて1980年代について、「80年は、山口百恵さん、王貞治選手、長島茂雄監督が引退し、スティーブ・マックイーン、そしてジョン・レノンが亡くなった印象深い年です。翌81年にアメリカで世界の音楽ファンが注目した「MTV」がスタートします。それまで、様々なミュージシャンがその時代のテクノロジーや新しいアイデアを駆使してミュージック・ビデオを制作しますが、MTVによって音楽の世界がガラっと変わります」と話しました。

スクリーンにはMTVの開局時に流れたバグルスの『ラジオ・スターの悲劇』(1979年)のMVが。そして82年12月に発売されたにマイケル・ジャクソンのアルバム「スリラー」が世界的な大ヒットになり、MTVから発信されたこのMVがいかに世界の音楽産業とアーティストに影響を与えたか、35年前の史実を解き明かし、学生たちはスーパースター、マイケル・ジャクソンの凄さをあらためて感じたようでした。

そして時代の流れは「MTV」から2005年にスタートした「YouTube」へ。吉田さんは「YouTubeで話題になって口コミからヒットした作品がいろいろあります。ここからはみんな知っていますよね。」と。ピコ太郎の『PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)』(2016年)について「PPAPはジャステン・ビーバーに発見されTwitterで世界中に広まりました。このようにYouTubeはアイデア一つあれば大ヒットの可能性があります」と話し、同じように世界を席巻したアメリカのインディーズバンド・OK GOの『I Won‘t Let You Down』(2014年)がスクリーンに流れました。「これはパフュームやサカナクションのMVを撮った関和亮監督の作品です。日本を舞台にドローンを使った最高傑作です。それではOK GOの初期のビデオも見てみましょう」と『Here It Goes Again』(2006年)も紹介されました。

続いて、日本のシンガーソングライター岡崎体育の『MUSIC VIDEO』(2016年)、また、世界中でヒットした2つのMV、韓国のPSYの『江南スタイル』(2012年)、ノルウェーのコメディ・デュオYlvis(イルヴィス)の『The Fox(What Does The Fox Say?)』 (2013年)が映し出され、吉田さんは、「どうですか? 作り手はこれまでのMVの何を参考にしているのか? また、観ている人たちがどこに反応するのか、構造を研究することが大事です」と語り、学生たちは人の心を捉えるミュージック・ビデオの存在がいかにプロモーションに欠かせないのか、また、昨今の話題作が何を参考にしていたのかを再認識しました。

そして吉田さんがオーディションから関わり、プロデュースしているリトグリがブレイクするきっかけとなった「『Little Glee Monster』がポコポコしてみたCUPS(カップソング)」(2014年)、『好きだ。』(2015年)のMVについて「彼女たちの歌のうまさをどう伝えるか?そこで、自分で書いた歌詞、生歌、一発撮りなど、これまでのMVのアイデアのなかかから、ボブ・ディランやOK GOを参考にしました」と、これまで流れたMVをまとめながら、リトグリの最新作、9月発売のシングル曲『明日へ』について解説。「アーティストも成長し、世の中も変化し、そしてプロデュースも変わっていきます」と話し、最後に「それではアーティストをプロデュースすることとは何か? まず①コンセプトを立てる。(どんなアーティストになって欲しいか? 時代の空気と共に考える。②行列をつくるために何をやるのか?(MTVからYouTubeの口コミ効果などを参考に)③それを実行する。④そして点火する。⑤それらを繰り返す。と総括し、学生に「参考になりましたでしょうか?」と話しかけると、大きな拍手が巻き起こりました。

のち学生からリトグリの音楽ジャンルについての質問があり「ブラックミュージックやモータウンといった洋楽のジャンルが近いと思います」と吉田さん。また、同じワタナベエンターテインメントに所属するお笑いタレントの才能について、吉田さんが業界を目指すきっかけ、仕事の喜びなど質問が寄せられ、「僕はコンサート会場にお客さんが笑顔で入り、笑顔で帰ることがエンタテインメントの基本だと思っています」と答え、熱い空気を残したまま講義は終了しました。

次回提携講座4回目は、(株)NHKエンタープライズ グローバル事業本部 事業開発センター デジタル・映像イノベーション エグゼクティブ・プロデューサーの田邊浩介さんです。

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