A.C.P.C.提携講座 産業概論から実務的なビジネス論まで幅広いテーマの講義を展開
8K:VR
ライブエンタテインメント論東京工科大学実施
2017年10月7日
8K:VRライド「東京VICTORY」
8K:VRライド「東京VICTORY」は、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催決定をきっかけに桑田佳祐さんが書き下ろした、サザンオールスターズの楽曲「東京VICTORY」にのせて、東京をヴァーチャルトラベルするというコンセプトのプロジェクトです。
田邊さんは、「本格的にプロジェクトの制作がスタートしたのは2017年1月からです。この作品も「SXSW2017」に出展しました」と語り、機材についての説明もありました。
「8K映像と5.1chサラウンド音響にシンクロして動く電動モーションライド、幅5.2m、高さ3.4mのドーム型ワイドスクリーンによる映像システム「WV Sphere 5.2」を採用しました」。また、「このスクリーンは、空を飛んでいるような映像体験ができる装置を開発しようと、東京工科大学のデザイン学部専任講師でもありアートディレクターの田村吾郎さんがデザインし、開発したものです」と紹介。
そしてスクリーンには、SXSWで展示された「東京VICTORY」の映像が流れました。大掛かりな仕掛けにより、ヘッドマウントディスプレイを使わないVR体験について、具体的な映像を見て驚いた学生たちは、田邊さんの次の言葉に耳を傾けます。
「みなさん、”Immersive”という単語の意味を知っていますか? これはこの作品を「SXSW2017」に出展したときに、体験されたほとんどの方が口にした言葉なのですが、『没入』という意味です。HMDを使う、使わないに関係なく、VR(ヴァーチャルリアリティ)は、脳をやさしく自然にだます体験です。そのためにはこの没入感が不可欠な要素となります」と話しました。
その後、学生たちの質問タイムとなり、「プロジェクトはどこから資金が出るのですか?」の質問に、田邊さんはこれまでの経験から「NHKグループを始め、複数の企業が出資して開発しています」と答えました。その後も質問が相次ぎ、これまでにないような熱気を帯びた授業は終了しました。
今後、映像の世界を目指す学生のなかには、「Shared Experience(体験の共有)」と「Immersive(没入)」は、自分たちが演出やプロデュースを手掛けるときのキーワード、大事な言葉になったのではないかと思われます。
次回第5回目は(株)ホリプロ代表取締役社長 一般社団法人日本音楽事業者協会 会長の堀義貴さんです。
※肩書きは講義当時のものです