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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 6

田邊浩介さん
Interviewee

REC.005 田邊浩介さん

(株)NHKエンタープライズ 事業開発センター イベント・映像展開 エグゼクティブ・プロデューサー

プロフィールの詳細


CHAPTER.3
8K:VRシアター「Aoi -碧- サカナクション」と8K:VRライド「東京VICTORY」

― 講義のテーマ、「8K:VR」は、NHKが中心となって開発を進めている超高精細な次世代の放送技術「8Kスーパーハイビジョン」を活用したVR体験システムです。ヘッドマウントディスプレイを使わずに、その場にいるような高臨場感を体感できる、オルタナティブなVRテクノロジーですが、学生たちには驚くことばかりだったと思います。学生の様子はいかがでしたか?

田邊浩介氏(以下田邊と表記。敬称略):教室が予想以上に広かったことと、映像を見せて上映している間、照明を落としてくださっていたので、壇上からは皆さんの表情がよく見えなかったんですよ。真剣に観ているなとは思ってたんですが。

― 8K:VRシアター「Aoi -碧- サカナクション」やサザンオールスターズの「東京VICTORY」を起用した8K:VRライドの最新の映像を観ることができて、学生は興奮していたと思います。それでは、2017年3月「SXSW2017」(サウス・バイ・サウスウェスト:毎年3月に米国テキサス州のオースティンで開催される世界最大級のクリエイティブビジネスの展示会。音楽・映画・インタラクティブの3テーマが中心)に出展し大きな反響を呼んだ「東京VICTORY」についてお話を伺います。この作品では、サザンオールスターズの楽曲「東京VICTORY」にのせて、過去から2020年の東京を時空移動するというバーチャルトラベル体験ができるんですよね。制作にはどのくらい時間がかかったんですか?

田邊:制作期間は2ヶ月くらいです。具体的に言うと、2016年末に企画が固まり、コンテがほぼ完成しました。実際にプロジェクトが動き出したのは2017年からです。1月からCGの制作がスタートしました。2月上旬に東京タワー、お台場、浅草などを8Kタイムラプス撮影しました。CGは、エアショットにかなり時間がかかり、ギリギリまで追い込みました。2月の後半に、撮影した素材と随時できあがるCG素材とを、2週間くらいかけて8Kオンライン編集しました。2月末までに全てのCGが完成し、映像が完成です。3月4日に5.1chサラウンドのMA(音響の仕上げ作業。音楽や効果音をMIXする)を行い、6日に完成試写をしました。その後、SXSWに出展するためにオースティンに出発したのが、3月10日です。本当にギリギリのスケジュールでした。

― 「8K:VRライド」の機材(ドーム型ワイドスクリーン、モーションライド、プロジェクター等)は、オースティンにはいつ、どのように送ったのですか?

田邊:機材は2月後半に空輸で送っています。今回、採用したドーム型ワイドスクリーン「WV Sphere 5.2」は、幅5.2m、高さ3.4mあるのですが、解体すると4tトラック1台に搭載できるくらいのサイズとなり、4時間で設営できます。可搬式で輸送することを前提に設計されたスクリーンなんです。

― 日本人が開発したのですか?

田邊:「WV Sphere 5.2」をデザインしたのは、東京工科大学のデザイン学部専任講師でもあり、アートディレクターの田村吾郎さんで、WONDER VISION TECHNO LABORATORYが事業展開しています。

― 8K:VRライド「東京VICTORY」は、映像クリエイター何名で制作したのですか?

田邊:僕が演出を担当して、制作進行が1名、プロデューサーが1名、NHKエンタープライズとしては3名体制です。そして、8K撮影チームはTDが1名、VE(ビデオエンジニア)が2名、カメラマン1名、アシスタントが1名です。CGIチームは、メインに稼働していたのは4名ですね。オンライン編集とカラーグレーディングを担当したエンジニアが1名、ロゴやUIデザインを担当したアートディレクター1名、音響はミックスエンジニア1名、サウンドデザイナー1名というのが主要スタッフです。その他にも、プロジェクトをサポートしてくれたスタッフが大勢います。

― 若い世代のチームですか?

田邊:サウンドデザイナーとCGIチームには20代のスタッフもいますが、プロジェクト全体で見れば、30代〜40代が中心です。

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