A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 6
CHAPTER.2
ライブ・エンタテインメント論
橋元さんは「フェス@JAM(アットジャム)」の総合プロデューサーであり、また、複数の人気アイドルグループをプロデュースする立場ですが、人気アイドルを生み出すフェスについてこう語りました。
「僕は、レコード会社に所属する人間として、どうアイドルをプロモーションしていくのか、どうやってヒットを作っていくのかという観点に立ちイベントやライブを運営しています。グループごとに、タイミングやマーケット、会場規模やなどの計画を組み、その内容にあったプランを考えています。@JAMシリーズもリリースタイミングでのプロモーションに使ってもらえるような、マネジメントライクなイベントと考えています」。
また「ライブシーンは上昇を続けていますが、そのなかでもフェスは年々細分化され多様化を見せています。とりわけキャンプフェスが各地でどんどん盛り上がり、ワークショップでは親子連れも目立ちます。こいったトレンドも意識しています」と橋元さんが言うと、マーキュリーさんは全国各地で大小さまざまなアイドルフェスが開催されていることを付け足しました。
講義最後のテーマは「プロデューサー論」。マーキュリーさんから「プロデューサーとは何をする仕事?」と橋元さんに質問があり、「一般的には資金調達や管理業務ですが、アイドルをプロデュースする場合の多くは自身の名前を出し、成長プランを明示していくケース多いです。云い方は乱暴ですが、彼女たちは大人の作ったプランニングで活動しますので、例えば1年から1年半後にはワンマンライブで500人の集客、2年後には800人などプランして、それに沿った動きをしていきます。
しかしアイドルグループには卒業がつきもので、予定通りいかないこともあります。そのときでもそれぞれのライブをどう盛り上げるのか、こういったことを多岐にわたって考え続けていきます」と回答されました。ここでまたマーキュリーさんが「プロデューサーにはどんな人が向いていますか?」と問いかけると、橋元さんは「そうなんですよ。プロデューサーってある程度経験値がないとできないところもあり、おじさんやおばさんにならないと興味が沸いてこないかもしれません」と答えました。
学生からは「橋元先生のお勧めのライブは?」といった質問があり「乃木坂46や欅坂46の演出は、空中に浮くとか、水色の火がでるとか、いま日本でできることを駆使した演出で、やはりコンサートは演出が大事だと感じます。僕もいい香りのするマシーンを使った演出を実施したことがあって、とても喜んで頂きました。自分も楽しめないとお客さんのニーズに適応できないと思っています」と橋元さんは締めくくりました。
90分に渡る講義で、学生は身近なアイドルのマンジメントからプロモーションまで、プロがどんな仕事をするのか、エンタテインメント業界の一角を担うアイドル業界のこれからを考えるいい機会になったはずです。特に橋元さんの「アイドルが好きでそのアイドルのマネジメントをやりたいと思うのは、好きという目線は大事だけど僕はちょっと違う。より近くなってしまうので仕事と割り切った距離感を保たないと続けられないと思います。。好きすぎると客観性を失いますしね。」という言葉が心に刻まれたのではないでしょうか。
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