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教育機関との連携 プロデューサー論
講義内容一覧 (2016年度 近畿大学実施)

よしもとクリエイティブ・エージェンシー奥谷達夫取締役 近畿大学で講演

「よしもとの基点は寄席」

12月5日、よしもとクリエイティブ・エージェンシー奥谷達夫取締役が近畿大学文芸学部文化デザイン学科の1年生のクラスで、エンタメ業界についての講演を行いました。

まずは自身の経歴を紹介。奥谷取締役はルミネ・ザ・よしもとの支配人歴も長かったことから、「40歳以上のよしもとの社員の中で、一番お笑いのネタを浴びていること」が自分の最たる特徴だとアピールしました。そして、前日に開催されたばかりの漫才コンテスト『M-1グランプリ』の話題へと移行し、その成り立ちを説明。当事者だっただけに、学生からは驚きの声が上がっていました。 そして吉本興業の成り立ちを、1912年の創業当時から紹介し、「よしもとの基点は寄席」であることと強調。その後、テレビやラジオのメディアが台頭してきたことにより、「吉本新喜劇」も当初はテレビ向けの開発コンテンツであったことを語りました。現在の所属タレントは約6000人、特に若手芸人の多くはNSCを卒業して所属タレントになることから、生き残ることの険しさなども話しました。また、よしもとの基点である劇場の紹介、年間10000本以上のライブを行っていること、地方やアジアでの取り組み、ネットフリックス、アマゾンなどの提携事業など、現在、よしもとが運営する事業の説明がありました。

年間10000本以上のライブパッケージと、今後の展望

そして「ここからが本題です」と年間10000本以上行っているライブパッケージについての講義が始まりました。「寄席こそが吉本を100年以上、支えてきた」とその重要さを説く奥谷取締役。落語の独演会や「漫才のDENDO」、芸人達の単独ライブツアーなどがあることを紹介し、今後、売れるであろう若手を見極めるポイントなども明かしました。また、「あんぎゃー」「兵動・小籔のおしゃべり一本勝負」といった企画イベントの運用について、近年隆盛を見せるミュージック&ダンスコンテンツ、「舶来寄席」を代表する今後の主要事業である海外招聘ものなどを詳細に説明し、ライブパッケージの幅の広さと奥の深さを周知しました。

また、エリア社員や47都道府県、アジアにおける住みます芸人の取り組み、北海道エリアでの「みんわら」といったお笑いや音楽ライブの提供、アジアでのコンテンツ展開を説明し、地方興行の利点を3つに分けて紹介し、それらがライブパッケージに還元する仕組みであることを紹介しました。

ライブにおけるよしもとの目的とは何か

最後に、「ライブにおけるよしもとの目的とは何か」を説明。生業であることはもちろん、劇場での鍛錬が結果的に芸を磨き、芸人を育てること、また劇場そのものが地方の賑わいを創出するなどを語り、いかにして億単位のプレイヤーが生まれるかを紹介しました。そして、マネージャー、プロデューサーの役回りとは何か、エンタメとは何か、といった話題で盛り上げました。

講義の後には先生や学生の方々から質問があり、「今まで一番面白かった芸人さんは誰ですか?」「ネタ番組が減っている理由は?」「経営陣には男性が多く見られるが、今後女性の活躍の場を吉本興業はどのように考えているか」「ネットへのテレビ番組の違法アップロードは会社的にはメリットなのか、デメリットなのか」といったご質問が寄せられました。

講義は約90分行われ、学生の皆さんは熱心にメモを取りながら、聞いていました。

講師 奥谷達夫さん

株式会社よしもとブロードエンタテインメント 代表取締役社長

プロフィールの詳細

※肩書きは講義当時のものです

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