A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
講義内容一覧 (2007年度 東京工科大学実施)
第1回 講義ガイダンス(オリエンテーション)
2007/9/25
本講義シリーズ全体のガイダンスとして、コンサートビジネス全般にわたる諸事情を、具体的な事例を示しながらわかりやすく解説。日本のコンサート市場に関する詳細なデータを、大規模コンサートからライブハウスまで幅広く紹介。またコンサート事業をとりまく法的環境の問題や、新世代のエンタテインメント産業における人材論までを展開した本講義内容の基調となる講義でした。
講師 反畑誠一
ACPC理事/音楽評論家
第2回 ライブ・エンタテインメントの歴史
2007/10/2
日本の戦後間もない頃の音楽シーンの紹介から始まり、ウェスタンカーニバルやビートルズの初来日など、現代の日本における音楽産業の基礎となった歴史的事実を紹介。ロンドンにおけるポール・マッカートニーへのインタビューなどの挿話を交えながら、今後のライブ・エンタテインメントにおける流れについて、2つの大きな方向性(アートとショーアップ)を示唆しました。
講師 野地秩嘉さん
作家
第3回 音楽制作プロデュース
2007/10/16
松任谷氏ご本人の希望で、講義形式というよりはカジュアルなトークショーのような形態で進行。冒頭は、ご本人の学生時代の体験を、親しみやすいエピソードを交えてお話され、会場を沸かせました。途中から本会の荒木理事を交えた対談形式によって、音楽プロデューサーとしての仕事について「シャングリラⅢ」などの体験を語られました。予め学生から募集しておいた質問に対して、その質問をした学生と、ステージ上での「直接対話」形式で答えていただき、その親しみやすい講義内容とお人柄で学生を魅了しました。
講師 松任谷正隆さん
音楽プロデューサー
第4回 チケット流通と実態の課題
2007/10/23
コンサートイベントのチケット流通に関わる最新の状況について具体的なデータを基づいて詳細に講義。チケッティングの基本的な流通構造を解説したうえで、かつてのプレイガイド・シテムから、現在のインターネットをベースとしたシステムへの変遷を説明。ネット時代だからこそ起こりえる新しいビジネスの可能性と、一方で問題となっているチケット・オークションやチケット偽造などの諸問題にも触れられました。チケットぴあの現場でなければ知り得ないような貴重な情報満載の講義内容でした。
講師 村上元春さん
ぴあ(株) 電子チケット事業本部 販売事業部 事業部長
第5回 コンサートと著作権
2007/10/30
ライブ・エンタテインメント事業に関わる法律的問題を、知的財産権、著作権、人格権といったキーワードから深く掘り下げました。著作権についても単純な知的所有権というだけでなく、その隣接権の問題や関連法律の面からも紹介されました。また、特許や工業所有権などについての考え方に関しても幅広く説明される講義でした。最後に、コンサート運営に関して、具体的な権利の帰属問題や約款の策定の考え方も説明しました。
講師 辻居幸一
ACPC常任理事/弁護士
第6回 クリエイター人材論
2007/11/6
音楽エンタテインメントの成り立ちを、バッハやモーツァルトの時代のクラシック音楽から、SP盤やLP盤といわれるレコードの時代、そして現代へと歴史的な背景から解き明かしました。それによって、現代における音楽配信ビジネスへの発想の鍵が生まれます。また、音楽やゲームコンテンツのプロデューサーとしての経験をもとに、こうした業界で活躍する人材に求められる能力についても熱く語られた講義でした。
講師 丸山茂雄さん
㈱に・よん・なな・みゅーじっく 代表取締役
第7回 テレビ局とライブ・エンタテインメント
2007/11/6
テレビ局におけるPAエンジニア、ディレクターおよびプロデューサーとしての経験をもとに、ライブ・エンタテインメントの現場やテレビ番組制作におけるクリエイターの仕事内容と資質について講義を展開。また、赤坂におけるTBS周辺地域の再開発「赤坂サカス」の実施推進者として、今まさに進行するテレビ局における新たなビジネス展開の実例を語りました。質問コーナーでは学生の席まで駆け寄って語るなど、熱い語り口が学生に強い印象を残しました。
講師 來住尚彦さん
㈱TBSテレビ 編成制作本部 PRセンター 広場準備室長