A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
講義内容一覧 (2009年度 東京工科大学実施)
第1回 オリエンテーション
2009/9/29
全国コンサートツアー事業者協会・会長の山崎芳人先生からはA.C.P.C.の社会的な役割と音楽業界全体への貢献についてご説明いただきました。コンサート業界、レコード業界の昨今の動向などについてのお話の中で、チケット流通のあるべき姿やコンサート事業の文化的役割にも触れていただきました。最後には、学生に向けて、これからの音楽業界で期待される人材についても語っていただきました。
反畑誠一先生からはライブ・鉛丹テインメント業界全体の状況について解説するとともに、本講義の趣旨に基づいて、講義全体の概要やポイントを説明していただきました。また、マクルーハンのメディア論の解説や、インターネットなどの新しい情報技術の発展と関連づけながら、音楽産業全体の歴史と将来の可能性を俯瞰する内容の講義を展開していただきました。
第2回 テレビ局による空間メディア
2009/10/6
昨年に引き続き、TBSのプロデューサー來住尚彦先生にご登場いただきました。來住先生は現在、赤坂Sacas推進部部長として各種のライブイベントのプロデュースを進めていらっしゃいます。今年も学生と一緒に考えるアクティブな授業を行っていただきました。都市型エンタテインメントを開発することの重要性とその運営について貴重なお話を語っていただきました。赤坂Sacasでは、「スケートリンク」(NYのロックフェラーセンターからアイデアを得た)や「牧場」、「汽車を走らせメリーゴーランドを作る」など、イベントを次々を行い、常に都市型エンタテインメントの先駆となってきました。こうしたイベントの提案から実現に至るまで、自分の力で周りを説得して、また予算を獲得してという実際のプロセスについて、わかりやすく説明していただきました。周囲がどんなに反対しても自分の信念を貫き、自信を持って実現まで頑張ることの重要さを教えていただきました。
第3回 ライブ・エンタテインメント@テーマパーク
2009/10/20
岡村先生は、オリエンタル・ランドにおいて東京ディズニーランドの経営ならびに運営に携わられた経験に基づいて、貴重なお話をしていただきました。はじめに、現在の日本におけるレジャー産業全体の動きについて解説していただきました。経済不況の中、レジャー産業が伸び悩んでいるが、東京ディズニーリゾートでは、2008年には入場者数2722万人、売上高3892億円を記録するなど好調を維持している。これにはディズニーの強力なブランド戦略に加えて、たゆまず続けられる数々の独自規格の力が働いているとのことです。その他、ディズニーランドとディズニーシーとの間には、差別化とそれぞれ独特のブランド戦略が存在するというお話や、夏にはお客様に「水をかける」なども思い切った演出を行ってきたことなど、貴重な体験談をお話いただきました。「良いアイデア」と信じる企画は信念を持って実行するものである。いつか、その企画の本当の良さがお客様に受け入れられて成功に結びつくものである。矢沢永吉さんを迎えたシークレット・ライブなども、これらのケースと同様「一般常識によるイメージ」を覆す挑戦の中から生まれたものでした。
第4回 ライブ・エンタテインメントの未来を考える
2009/10/27
第5回 「音楽市場進化論」レコード産業に再生策はあるか
2009/11/3
前回は「クリエイター人材論」というタイトルで、これからの音楽産業に必要とされるクリエイター像を、音楽業界でのご経験から語っていただきました。今回は、現在厳しい時代を迎えている音楽業界の状況をふまえて、レコード産業の再生に向けた想いをお話しいただきました。モーツァルトやベートーヴェンといった大作曲家の時代から現在に至るまで「音楽を聴く」というスタイルは常に変化を遂げてきました。テープ、レコードやCDといった記録媒体を流通させるレコード産業は、今、インターネットによる「データ流通」という時代に直面して、方向性を失っているように見えます。しかし、こうした時代があるからこそ、音楽を聴くことの楽しみや、それによって経済や産業全体が大きく成長できるシナリオをどう描くのか真剣に考えなければなりません。丸山先生の音楽に対する想いと大会社を経営してこられた観点からのクリエイターに対する考え方など、貴重なお話をお聞きすることができました。
第6回 ライブ・エンタテインメント新世紀
2009/11/10
第一部:国内音楽産業と北米ライブ・エンタテインメントの歴史と現状
これまで東京ドームでの音楽興行に関して、日本側プロモーターとして数々の著名アーティストを招聘してきた北谷先生の経験と実績に基づいたお話をお聞きすることができました。ライブ・エンタテインメントの草創期から、ラスベガスなどにおける巨大エンタテインメント産業までの歴史を振り返り、今後、日本におけるエンタテインメントビジネスがどのように発展していくべきか、マカオなどの事例をもとに考える講義となりました。
第二部:デジタルシネマと3Dシネマの将来
映画産業における技術的イノベーションは、ついにデジタルシネマと3Dシネマという新領域を生み出しました。今後、映画コンテンツの配給は、フィルムの時代からデジタルデータの時代へと大きく変わっていくものと思われます。このジャンルでも日本の先を行くアメリカにおける現状を、最新の情報をもとに解説していただきました。
第7回 ライブ・エンタテインメントと著作権
2009/11/17
肩書きは講義当時のものです