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A.C.P.C.提携講座 講義録

A.C.P.C.提携講座 産業概論から実務的なビジネス論まで幅広いテーマの講義を展開
LIFE

ライブエンタテインメント論東京工科大学実施

2017年10月31日

挑戦することを忘れないで、そして出会いを大切に

「2005年にライブハウスを経営したときの7000万円の借金は、自分の歌で返すことができて現実的だったけど、でもさすがに億を超えると、どうしようか?となります。今こうしてみんなの前で話していますが、当時はすべて売って実家に帰ってバイトして食っていくしかないし、社員をどうするか真っ暗でした」。その後もジェットコースターに乗っているような、クレイさんの日々が続きます。

「悩んだ結果、僕はある上場企業に相談しました。すると社長に呼ばれ『もしウチに来てくれるなら何とかなるかもしれない』と、出資してくれるかどうかの可能性を年内最後の役員会議にかけてくれることになったんです。その会社がM&A(企業の合併、買収)を受け入れてくれたら、僕らは普通の生活ができる。もし通らなかった倒産するしかない。僕はちょうどクリスマスイブの夜にスタッフと返事を待っていましたが、答えはダメでした」

しかし、話はこれでは終わりません。そのときの状況を話すクレイさんに学生たちは真剣に耳を傾けています。そして最後に残った借金は2億円を越えていたとクレイさんは続けます。

「年が明けて1月の上旬にその会社の役員の方が逗子に来てくれて『大丈夫?もう少し時間をくれれば、何か策があるかもしれない』と言ってくれて、僕は再トライすることができたんです。そして最後の返答が来る1月の末日に僕はスタッフと神社にお参りに行き、今でも時間を覚えていますが午後1時50分に僕の携帯が鳴って『クレイ、通ったよ!』と。『みんな通ったー』と告げると泣き出すスタッフもいました。こうして僕らは借金を全部返すことができて、2015年2月に再スタートしました」

2017年現在、クレイさんは(株)音遊の代表取締役社長に就任。現在はソロアーティストとして、またプロデューサーとして幅広いジャンルで活躍しています。講義の最後にクレイさんはこう語りました。

「人生って不思議ですよね。僕は、この先、どういう大人になっていこうか調整中です。まだまだやりたいことはたくさんあって、老人になって自分の人生を振り返ったとき、この人生のわからない感じを最高と思いたいです。今日はみなさんに、僕みたいな人生もあるんだなということを知ってもらいたくて話しました。挑戦することを忘れないで、そして出会いを大切にして欲しいと思います。今日はありがとうございました」

学生たちからの質問タイムとなり「クレイさんの人生のゴールは何ですか?」には「凄くシンプルに、周りに笑ってくれる人がいたら最高ですよね。笑えたら細かいことなんか関係ないと思う」。また「どうやって医学部に入ったんですか?」という質問には「図書館に住んでいると言われたぐらい勉強していました」。最後の「会社が大変だった頃、日常生活では何を楽しみに生活していましたか?」という質問に「借金をかかえて真っ暗で、日々楽しみを見つけるのは大変だった。でもオレの人生、いずれ必ず上がっていくから、どん底を噛み締めようと犬と戯れていました」。

今回の講義では、クレイさんは話しを終えると「今日はハロウーンということもあってライブをやります」と切り出し、キマグレンの『LIFE』、またジョン・デンバーの『故郷へ帰りたい』など3人のバンド仲間を引き連れて4曲歌いました。学生たちは前列に押し寄せ全員総立ち。忘れられない講義になったと思います。

次回第7回目は、(株)アニプレックス スーパーバイザーの夏目公一朗先生です。

講師 クレイ勇輝さん

元キマグレン/株式会社音遊 代表取締役社長

プロフィールの詳細

※肩書きは講義当時のものです

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