A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1
CHAPTER.3
3次元、4次元的にコンテンツを考える
― 出版界もデジタル化を取り入れてからだいぶ経ち、インターネットマガジンなどにトライしました。しかし、なかなか結果がでません。
杉本:コンテンツなり成果物をつくる思考のなかで、今日も口をすっぱくして言ったように「インターネットの原理原則をもう一回ちゃんと理解することが重要」と思います。 紙にして出版するという成果物をパソコン上のモニターで見られますよ、ということで、デジタル化したと言っているサービスもありますが、これは何の意味もないと僕は思います。
― 出だしから、発想が違ったのかもしれませんね。
杉本:従来の概念をひっくり返し、3次元、4次元的にコンテンツを考えるところから何をつくるか思考し、例えば前からでも、真ん中からでも、後ろからでも読み始めて大丈夫な構造にできるのがデジタル化です。
立体的で複合的な発想を持てば、まだまだ可能性はあるわけですか?
杉本:オンリーワンをちゃんと目指していくことが凄く重要だと思います。
しかし、雑誌では似たような特集、テレビは毎日のようにひな壇にタレントが並ぶバラエティ番組であふれています。
杉本:会社、タイトルが違うだけで、本質的には同じようなことをやっています。マスを狙えば狙うほどバリエーションが増える、これは数の原理に対して中味が薄いということです。売れないのではなく、必要数を越えています。
消費者の要求とズレがあるわけですね。
杉本:提供する側は、消費者の上にいるという幻想を持っていて、それがこれまでの社会の基盤だったのかもしれません。しかし、ネット社会になると、双方向でやりとりできることによって格差がなくなってしまい、消費者が求めていないことは、あからさまになっていきます。そのことを事業者がどう受け入れられるか、本来はこうあるべきだということが、まだきちんと整理されていない、今はちょうど過渡期だと思います。
のんびりはできませんが、概念をひっくり返して、オンリーワンを目指していく。
杉本:ともすると、ニッチなジャンルの本みたいな、そういったコンテンツが、これからは長く続いていく時代かもしれません。
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