A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1
CHAPTER.3
ITメディアやネットワークから知るアーティストの人気度
― アーティストの人気度を計る、野村先生独自の市場分析の結果を講義で発表していただき、すごくリアリティがありました。どうして、このような研究を行なっているのですか?
野村:CDが売れなくなってきたことを肌で感じる中で、セールスチャートを見たときに、これが音楽の人気のバロメーターとして有効なのか?という部分から始まっているところがあります。違う方法論でアーティストの持っている何らかの力というか、マーケット・ポテンシャルを知りたいなと考えました。
― 調査なさったSNSなどからも見えてくるものがあるのですね。
野村:一番分かりやすいところで、ミクシィやツイッターでどれくらいフォロワーがいるかとか、YouTubeでどれくらい再生されているかを調べるようになってから、例えばライブ会場とかフェスに行ったりして、まったく名前を聞いたことのない、明らかにオリコンなどでも見たことのないアーティスト達が、実はすごく支持されているという場面に多く出会ったんです。媒体を通じてだけで音楽やアーティストの人気が広がるのではなく、実はそういったITメディアとかネットワークを使って、どんどん支持を増やしていると感じたので、そういうところで取り交わされている、もしくは行き交っている情報はどんなものなんだろうということが知りたかった。
その中でやっぱり自分が関わっているアーティストを届けていきたいし、広がっていく場面を自分も体験してみたかったんです。
― 人々の使う携帯電話が一気にスマホに移ったように、ここ2~3年でアーティストの人気のバロメーターが急激に変わっているのですね。
野村:場面場面、時代時代で情報の仕入れ方は変化していくので、臨機応変に対応できるような勘というか、反射神経が必要だと思います。
― 日頃、特に気をつけていることはありますか?
野村:特別なことをやっているつもりはないですけど、いろいろ新しい物にはなるべく目を向けたり触ったり体験したりしているのと、講義で学生にも言いましたけど、ライブの現場に行くと、人がどういう風に動いて、どこに人が集っているのかが分かりますよね。
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