A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1
CHAPTER.4
『基本的にはマネージャーです』。
― 学生から、野村先生みたいにプロデューサーになりたいのですが、何から勉強したらいいですか? と質問があったらどうお答えになりますか。
野村:先ほど言ったようないろいろなエンタテインメントに触れることと、自分の好き嫌いをまず見つけていくことが大事ですね。
好き嫌いがまずあって、それは人が物事を動かすきっかけのエネルギーになりますし、自分の好き嫌いをはっきり認識できることで、それを他の人の好き嫌いにも置き換えられるんです。
例えば、音楽はこれが好きかな、この服好きかなというイメージや主観ができるようになると、それが人の好き嫌いという客観性にも繋がります。自分はこれが好きだけど、じゃあ隣の人の好きなものって何だろう?ってイメージして、それをどんどん広げていくと、たぶんプロデューサー感覚というものが養われていくと思います。
― なるほど、とても分かりやすいですね。
野村:好き嫌いという主観の物差しと、良い悪いを判断する客観性という物差しが必要で、この二つの数値が両方ともマックスに行くようにどう頑張れるかが、プロデューサーとして求められていることですね。
― BUMP OF CHICKEN、サカナクションなど野村先生のプロデューサー歴はどのくらいになるのでしょうか?
野村:僕はプロデューサーという職種をやっている意識はなくて、基本的にはマネージャーです。マネージャーって、プロデューサーの役割をしなくちゃいけないところもあって、人によってはどちらの見方もあるでしょうし、何をもってプロデューサーか、僕は特にカテゴライズしているわけじゃないですね。客観的に見るプランナーである気もするし。ただそれを総括して言うと、プロデューサーということかなと思うんですけど、自覚としてはないですね。
どちらかというとマネージャーとしてずっとやってきて、新人の段階から開発して、契約して、プランニングして育てていって、面白い音楽、コンテンツを提供していく傍らにいるというのが僕の仕事です。まだまだもっともっと頑張らなきゃいけないと思っています。長期的に考えていかなきゃいけないことなので、いろいろ夢はありますよね。
― 本日は有り難うございました。
(次回は、(株)ソニー・ミュージックアーティスツ代表取締役会長 原田公一さんです。)
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