A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 3
CHAPTER.2
CD市場とダウンロード市場の未来
― さて、今日の講義のテーマは「CD市場とダウンロード市場の未来」でしたが、CD(パッケージ)とダウンロード(配信)を合算したランキングについて、オリコンさんでは今後どのようにお考えでしょうか?
垂石:うちの場合は、あくまでも日本全国でユーザーが購入した数字をそのまま出していくのが基本です。配信に関しても、ランキングを発表するのなら、ダウンロードされた数のランキングじゃないと駄目だと思っています。それはサブスクリプション(月額課金の聞き放題)サービスのデータでもないし、YouTubeの再生回数でもないですよね。ただ、そのデータは、配信元がおさえていますので、すべての権利者の許諾が完全にとれないとスタートできないという、ある種ジレンマみたいなものは抱えています。とはいえ、レコード会社でもリアルで新しいランキングを何とか作りたいと賛同してくれるところも少なくないので、今は協調しながら新たなランキングを模索している感じですね。
― 日本は人口ピラミッドの構図も高齢化が進み、上の年代の人口ボリュームが多くなり、ランキングも年代差があります。
垂石:そうですね。すでにランキングを見て面白いものをピックアップして購入する、という流れじゃなくなっていますよね。
― 音楽業界以外でも、ランキングを求められていますね。
垂石:音楽業界以外ではCSランキングという、例えば引越し会社だとか、英会話スクールさんなどのランキングもやっていますが、これらは実際に企業にプレゼンすると、なるほど、こういうランキングでうちが1位ならば広告で使いたい、みたいな感じになって、いい循環になってきています。現在はスタッフがビジネスになるかだけではなく、ユーザーのためになるかも考えながら新たなジャンルを次々と立ち上げています。
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