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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
ゲスト講師リレーインタビュー (東京工科大学)season 4

林真司さん
Interviewee

REC.005 林真司さん

エイベックス・グループ・ホールディングス株式会社代表取締役CMO

プロフィールの詳細


CHAPTER.1
単なるオタクでは通用しない

― 本日の講義では、林真司先生の学生時代のエピソードを学生たちが真剣に聞いていました。はじめに、学生たちの印象をお聞かせください。

林真司さん(以下林と敬称略):講義に向かう姿勢が、僕らの学生時代より凄く真面目なんだなと思いました。自分たちの頃は寝ている人もいたり、出席率自体がそもそもこんなに高くなかったような感じがします。壇上に上がってみて、学生たちの視線の強さにびっくりしましたよ。

― 横浜市立金沢高校の同級生、松浦勝人さん、小林敏雄さんたちと貸しレコード店『友&愛』でアルバイトをしていたお話はとても興味深いものでした。

林:小林とは小学校1年からの付き合いで、松浦は高校1年の時の同級生です。もともと僕は16歳のときに小林と横浜の洋光台にある『小僧寿し』でバイトしていました。そこのオーナーの重野正昭さんが、飲食業ではなく、会員ビジネスのようなことをやりたいと言って、貸しレコード店『友&愛』を始めたんです。ちょうどその頃、たまたま大学が一緒だった松浦と休校掲示板の前で再会し、彼は大の音楽好きだったので「こんなバイトがあるんだけど」と誘いました。

― どのようなアルバイトだったのですか?

林:重野さんとは今でもお付き合いがあって、もう73歳位だと思うんですけど、重野さんに教わったのは生の商売。当時、僕らはバイトと言っても江戸時代でいう丁稚のような感じでした。お店の一日の売上げ予想を立て、パートさんのスケジュール管理まで、お店そのものを全部任されていました。業者さんへの支払いは僕らが全部やったし、キャッシュフローも銀行の預金通帳で入出金を確認しながら自分たちでやっていました。

― 実務が身につく内容の濃いアルバイトですね。

林:ひと月の売上と一年の売上管理を経営の視点で教わりましたから、ラッキーだったと思います。更にラッキーだったのは『友&愛』の規模が拡大していく現場に立ち会えたことです。でも、次第に専門的な勉強をしないと追いつかない部分が多く出てきました。だから少し後悔しているのは、もっと勉強しながらバイトをすれば良かったかな、ということですね。

― その後、銀行に就職されるわけですよね。

林:大学4年生で世の中をわかって、自分の意志で選択するって難しいですよ。銀行を選んだのはバイトでの経験もありますが、親に「ちゃんとした会社に就職して欲しい」と言われていたのが大きいです。でも、銀行で仕事をした2年間の経験は、今の仕事にも活きていると思っています。

― 学生時代に視野を広げるためには、どんなことをすればよいでしょうか?

林:僕は、この業界に就職したら単なるオタクでは通用しないと思うんですよ。自分の“オタク力”みたいなものはあった方がいいけれど、それだけではビジネスとして通用しない。音楽好き、芸能好き、映画好きという、いわゆるオタクの本質は何かと考えてみると、基本的に自己満足の世界だと思うんですよね。そのなかで大事なのは、オタクを何に広げることができるかという発想の力だと思います。松浦はダンス・ミュージックのオタクですし、アーティストでいえば小室哲哉さんもそういう部分があります。ただ彼らに共通するのは、自分の好きなものを最大化するというエネルギーがあることです。
自分が惚れこんでいる世界に、好きという理屈は必ずあって、それの最大公約数を求められるタイプが成功すると思うんですよ。そういう意味では、一人で抱えこむタイプはだめ。自分が大好きな世界を、自分だけのものにせず、何人に見せたいかというところから視野が広がっていくと思いますね。

― 自分だけの趣味の世界にいるのは心地いいと思いますが、仕事はまた別ですからね。

林:本当にオタクでいたいなら、この業界に仕事を求めない方がいいと思いますよ。究極は矛盾ですからね。商売にできるものと芸術というのは、矛盾するところがあるわけだから。

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