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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1

Interviewee

REC.007 垂石克哉さん

オリコン・リサーチ株式会社 取締役
オリコン・エンタテインメント株式会社 取締役

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CHAPTER.2
ランキングから見えるものたち

― 垂石先生はランキングのデータをいつもご覧になられていて、「初動」の数字の熱さというものを感じますか?

垂石:そうですね。その時々で違いはありますが、やはり「初動」の数字が、ある時期からすごく大きな力を持ち始めていると思います。

― 時代でいうとどの辺りからでしょう?

垂石:シングルのランキングに関して言えば、1980年代のアイドルシーンからでしょうか。たのきんトリオとか松田聖子ちゃんとか、初動の数字と初登場1位という言葉が意味を持つようになったのはあの辺りからです。以降、初動の数字というのが、歌手やアーティストの人気のバロメーターになっています。
90年代に入って、売上枚数が飛躍的に増えて、初動でミリオンを超える作品が続出するようになります。初動が大きいと、話題も大きくなり、さらにヒット現象が拡大していくという流れがありました。それが、2000年代に入ってからは初動の数字が減少して話題もちょっとシュリンク気味でしたね。 ところが、ここ2、3年のAKB現象で初動の持つ意味合いが再び大きくなっていると思います。

― AKB現象を冷静に分析しますと、即売というものが重要になっているように思います。

垂石:そうですね。凄いのは何十万人というファンを握手会に来場させて、トラブルなくコントロールしていくオペレーションをレコード会社がやっていることです。AKBと一緒にそのノウハウを音楽産業が成長させてきたように思います。

― ランキングから日本人の変化を感じることはありますか?

垂石:家族の在り方の変化とランキングに出てくるヒット曲は連動していると感じます。
70年代、80年代頃はテレビを囲んだ家族団らんがあり、家族全員が知っているヒット曲というのが必ずありました。しかし、90年代以降、テレビは個室のパーソナルメディアとなり、それに伴ってヒットも細分化しつつあるように思います。みんなが知っているヒット曲がなくなってきているんです。そういうことは見えてきますね。

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