A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
講義内容一覧 (2009年度 東京工科大学実施)
第8回 TVの仕事~MUSIC STATIONができるまで
2009/11/24
第9回 メディア環境の変化とライブ・エンタテインメントの役割
2009/12/1
音楽コンテンツの専門チャンネルであるMUSIC ON TVの経営戦略について、最近の音楽業界の状況を鋭く分析しながらお話しいただきました。豊富なデータ資料をもとに、学生の生活状況と統計調査の数字を比べながら、音楽コンテンツの市場の変化についてわかりやすくご説明いただきました。若者がTVや音楽プレイヤーから離れ、携帯電話やPCを利用するにつれ、パッケージメディアの苦戦の状況が生まれてきたことがよくわかりました。しかし一方では、「本当のエンタテインメント」を求めてライブ会場に足を運ぶファンの数は決して減っていません。マイケル・ジャクソンが残した映画「THIS IS IT!」に見るように、本当の意味での音楽表現を、素晴らしい形で完成させて観客に伝えようとする努力は、これからも力強い音楽産業を作っていくと思われます。
第10回 ライブ・エンタテインメントとは
2009/12/8
エンタテインメントとは「人の心の中にある、善と悪の戦いについて、もう一度人々に思い起こさせ、感動させる」ものであるという堀先生の考え方に共鳴した方も多かったと思います。ホリプロの会社にロビーには井上ひさし先生の「むずかしいことをやさしく。やさしいことをふかく。ふかいことをおもしろく。」という言葉が飾ってあるそうです。ネット全盛時代において、演奏者やアーティストといった職業の権利を守ることは難しくなってきました。しかし、その一方で一人のタレントがメディアに露出する機会が圧倒的に増えてきたことも事実です。新しい時代の状況を的確に捉えて、ライブ・エンタテインメントの世界をより良くしていくにはどうしたらいいか? それを深く考えさせられる講義となりました。また、若い学生の皆さんにとって、これからは全世界を相手に活躍の場を広げる好機です。英語能力や国際的な知識を広めて、将来に備えて欲しいとのお話もいただきました。
第11回 コンテンツ産業の現状とコンテンツ政策について
2009/12/15
池田先生の所属する文化情報関連産業課(メディアコンテンツ課)は、経済産業省の中でも「人気配属先」のひとつだそうです。クールジャパンを標榜する経済産業省において、重要なコンテンツ制作を推進する部署です。今回は映画、音楽、アニメ、出版、印刷、CMと幅広いジャンルにまたがり、日本のコンテンツ産業の実態と今後の発展の可能性について語っていただきました。まず、経済産業省が進めるコンテンツ政策のひとつ「CoFesta~JAPAN国際コンテンツフェスティバル」について概要を説明していただきました。日本のコンテンツを海外に広く紹介するためのイベントですが、一方で世界に通用するコンテンツを創る難しさ、世界に通用する人材育成の難しさを感じることもあるとのことです。これからはアニメやゲームといった日本から発信するコンテンツについて、そのレベルアップと市場の拡大のために、実効性のある政策を進めていくとのお話もありました。
第12回 音楽とライブ・エンタテインメント
2009/12/22
後藤先生は、吉田拓郎、井上陽水などの日本のポップミュージックを代表するそうそうたるアーティストを育ててきた方です。まさに日本の音楽業界をリードし、音楽産業を育て続けていらした方と言えます。その後藤先生からは、これからの音楽産業を作っていくのは、いま学生である皆さんであり、大人の世界に負けないパワーを持って新しい価値観で新しいビジネスを創り上げてほしいとのメッセージをいただきました。後藤先生ご自身も学生時代からの活動を、そのまま実社会のビジネスへと立ちあげたご経験もあり、学生への期待は決して夢だけのものではありません。講義では、フォーライフミュージックエンタテイメントで現在活躍する若手アーティストのPVを始め、後藤先生のキャリアスタートに大きな影響を与えた「ウッドストック・フェスティバル」の記録映像も見せていただきました。
第13回 表現者からの視点
2010/1/12
大貫妙子さんによる講義では、ミュージシャンとしての経験に基づいた貴重なお話を聞かせていただきました。ミュージシャンとして「売れる」ようになってからは、逆にプレッシャーも大きくなるもので、そのプレッシャーと闘いながら成長していくのがクリエイターの使命である。また大貫さんは「ファン」という存在を「自分の鏡」だと考えていると言います。大貫先生のファンはあまり「群れる」ことはなく、「個」として存在しているが、大貫先生の音楽を聴くことで静かにつながっている方が多いそうです。大貫先生は、これは仲の良い友達と同じことで、仲が良いからといって、その個性まで一緒である必要はないと仰います。CDの音質を含めて、なかなか本物の音を聴くチャンスがないというのは問題です。コピーガードをつけるとCDの音質が悪くなってしまうが、レコード会社はこういったことに気をかけることも少ないようです。本当に良い音を知ってもらうことが音楽制作者の使命だと語っていただきました。
肩書きは講義当時のものです