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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
講義内容一覧 (2015年度 東京工科大学実施)

第9回 エンタテインメントに息づくディズニー7つのDNA

2015/12/1

第9回目の講義には、エンタテインメントの最先端を走るウォルト・ディズニー・ジャパンのエグゼクティブ・ディレクター、目黒敦氏が登場。ウォルト・ディズニー・ジャパンは、米国本社が展開するStudio(音楽・映画など)、Media(テレビ)、Consumer (グッズ)、Interactive(ゲーム・インターネット)、Parks & Resorts(パーク・ホテル)の5つの事業を日本で管轄するために設立された。目黒氏は、世界中の人々を夢中にさせるディズニーの企業理念について、「ウォルト・ディズニーは“すべては一匹のネズミから始まった”ことを忘れてはならないと言いましたが、実はその前にもいくつもの失敗を乗り越えた歴史がありました。ディズニーの歴史は常にチャレンジしてきた歴史とも言えるのです」。さらに、ミッキーマウスを作る前にまず音楽のことを考えていたように、音楽は感動に基づいていて、その感動を再び呼び起こす力がある。音とイベントの融合など、ディズニーだからこそできることは無限大であると語った。続けて「楽しさ」「物語性」「革新」「共同体」「前向きな精神」「品質」「品位」はディズニーの7つのDNAであり、このDNAを守りながら商品作りをしている企業のスタンスを誇りに思うと語った。最後に学生たちに「ディズニーはハートのこもった特別なエンタテインメントを、これからも皆さんに届けます」と約束し、講義を締めくくった。

講師 目黒敦さん

ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社 エグゼクティブ・ディレクター/日本&アジア・パシフィック ミュージック・グループ担当/キャラクター・ボイス・グループ

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目黒敦さん

第10回 学生だからできること

2015/12/8

第10回は、メディア学部の客員教授であり、音楽プロデューサーの松任谷正隆氏が登場。今回は「学生だからできること」をテーマに、松任谷氏と学生との取り組みついて語った。会場が多くの学生で埋まる大盛況の中、講義はスタート。今や定番となった苗場プリンスホテルで行われている松任谷由実「SURF&SNOW in Naeba」は、実は学生からのアイデアがきっかけでイベントへの参加が始まったのだという。それが2007年。その後も、新曲のミュージクビデオを多摩美術大学と競って作ってみたり、「POP CLASSICO」ツアーの一部演出を手がけることもあるとのこと。また、「SURF&SNOW in Naeba」のコンサート期間中にインターネットでコンテンツを楽しむことができる人気の有料サイト「Y MODE」も企画・立案から撮影・編集・配信まで学生が全てを行っているが、ネットでも高画質な映像が見られる昨今では学生にもプロのような映像の撮り方が求められているという。学生とコラボレーションする魅力について松任谷氏は、「学生は技術的なノウハウを知らないことが欠点だが、何も知らないという強さがある」。何かをするには、まず最初にアイデアが必要であり、現場にいるプロは、できることがわかっているから、ついその中でまとめようとしてしまう傾向が強いという。そうすると絶対に新しいことは生まれてこないもの。何をやるにしても奇抜さは大事であり、だから学生の枠にとらわれない自由な発想は、とても斬新で好きだと語った。

講師 松任谷正隆さん

音楽プロデューサー/日本カー・オブ・ザ・イヤー 選考委員/東京工科大学メディア学部 客員教授

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松任谷正隆さん

第11回 人生の宝物をみつけよう

2015/12/15

今回で11回目となる提携講座の講師は、元キマグレンでミュージシャンのクレイ勇輝氏。数々のヒット曲を放つミュージシャンの登場とあって会場は多くの学生たちが聴講に訪れ大盛況となった。クレイ氏がバンド活動を始めたのは、高校時代。きっかけは「好きな子がギターをやっていたから」だという。大学時代はハワイとニューヨークで過ごし、日本に帰国後は会社員となるが、2005年にキマグレンのメンバーであるISEKIに声をかけ、借金をして逗子海岸に海の家ライブハウス(音霊 OTODAMA SEA STUDIO)を立ち上げる。キマグレンもその流れで結成。ライブハウスで毎日ステージに立っていたと振り返る。インディーズでの活動を続けていたキマグレンに転機が訪れたのは、2007年。夏にユニバーサルミュージックと契約し、翌年メジャーデビューを果たす。2ndシングル『LIFE』がCMソングに起用され、1stアルバム『ZUSHI』も大ヒットとなり、数々の新人賞を受賞、紅白歌合戦への出場を果たした。その後も武道館ライブや数々のタイアップ曲に起用されるなど、順調に歩んでいたかに見えたが、音楽活動と並行して運営していた会社の業績が思わしくなく、2014年に会社をM&Aすることを決心。さらにキマグレンも惜しまれながら解散。「第一章がアメリカからの帰国だとすると、自分の人生の第二章が終わったのは、この瞬間だった」と語るクレイ氏。そして現在は第三章で、ゼロからスタートしたところだという。「ソロでライブをしながら次はどうしようか考えつつ、一からまた挑戦しようというライトな気持ち」と今の心境を語り、多くの学生に向かって「挑戦することを忘れず、出会いを大切に。これから社会に出たら、ぜひ一緒にがんばりましょう」とエールを送り講義を締めくくった。

講師 クレイ勇輝さん

元キマグレン/ミュージシャン

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クレイ勇輝さん

第12回 日本のコンテンツ政策について

2015/12/22

12回目は、経済産業省の伊藤桂氏が講師として登場。国家戦略として日本のコンテンツ産業振興に尽力する立場から、日本の現状と将来性を考えていく興味深い講義となった。伊藤氏は最初に「いいものを作る」と「それが売れる」はイコールではない。「ものを売るには戦略が必要であり、単に商品が売れればいいというのではなく、利益を生み出すスキームをもつことが重要」と語った。伊藤氏によると日本のコンテンツ産業の規模は12兆円ほどで世界第2位(トップは圧倒的にアメリカ)と大きな市場規模を誇っているが、今の勢いを考えると数年後には現在3位の中国がトップになるのではないかとの認識だ。日本は高齢化の影響もあり、伸びは横ばいとなっているため、いかに海外に市場を開拓していくかが今後の鍵とのこと。その中心となる施策がクールジャパン戦略だ。目的は海外を相手に日本のコンテンツ産業で「大きく稼ぐ」こと。海外展開のイメージとしては、日本文化や魅力などに付加価値を加えたクリエイティブコンテンツなどの文化産業を効果的に発信。日本ブームを起こして現地で稼ぎ、さらに日本を訪れ消費をしてもらうことで、日本の経済成長・企業の活躍、雇用創出につなげるというもの。そのため経済産業省では、字幕など、コンテンツの現地化を進めるほか、中小企業が参加できる見本市や政府主催のアジア・コンテンツ・ビジネス・サミットの開催、資金援助、そのほかにも海賊版対策、留学生アンバサダー、プロデューサー人材育成、コンテンツ技術開発の支援など、日本のコンテンツ産業発展のためにさまざまなサポートを実施しているとのことだ。

講師 伊藤桂さん

経済産業省 商務情報政策局 文化情報関連産業課 課長補佐

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伊藤桂さん

第13回 いま音楽を語ろう

2016/1/5

第13回目は、ロサンゼルスからの遠隔講義となった。講師は作曲家・音楽プロデューサーとして活躍する村井邦彦氏。講義の進行役として村井氏に関する本を執筆中というライターの松本直也氏も参加して行われ、まずは村井氏のプロフィール紹介から始まった。『エメラルドの伝説』『ある日突然』など、60年代~70年代に青春歌の代表曲を次々に送り出し、札幌オリンピックのテーマ曲『虹と雪のバラード』も作曲。赤い鳥、荒井由実、YMOらを世に送り出すなど、音楽プロデューサーとしても手腕を発揮したほか、設立したレコード会社「アルファレコード」で海外進出を果たすなど、その輝かしい実績に学生たちは驚きの表情を見せて、合唱でよく歌った『翼をください』の作曲家ということで親近感を持って講義に臨んでいた。後半、村井氏はアメリカにある日本人学校の校歌を作曲した事例を紹介しながら、自身の作曲法についてノウハウを披露。「作曲家は建築家と一緒。建築家が設計する際に住む人の暮らしぶりを考えるように、曲を作る場合も歌う人が、どんな声なのか音域はどのくらいなのか考える必要があります。その人が歌いやすい曲でなければなりません」と語り、続けて「今回は日本人学校の校歌ということなので、日系移民の歴史と境遇をよく知り、背景を考えた曲作りを心がけたつもりです」。日本人学校を卒業した年配の方から、現在通っている小さな子供まで、笑顔で歌う姿が映し出されたとき、学生は校歌がみんなから愛情を持って受け入れられたことを理解した様子だった。新たな形式としてチャレンジしたロサンゼルスと東京を結んだ講義は、作曲家としての思いが海を越えて伝わってくる講義となった。

講師 村井邦彦さん

音楽プロデューサー

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村井邦彦さん

第14回 コンテンツ配信の未来

2016/1/12

第14回目の講義は、ITとエンタテインメントを結び、ファンに直接サービスを提供する手法で成長を続ける株式会社エムアップ代表取締役の美藤宏一郎氏が講師として登場。ベンチャーとして会社を立ち上げ、上場するまでの流れやポイント、会社を運営する苦労と喜びなど、将来は自分で事業を、と考えている学生にとって、起業のヒントが学べる貴重な講義となった。美藤氏は、大学卒業後、大手レコード会社でキャリアをスタート。ディレクターとして才能ある新人を発掘し、数多くのヒット曲を生み出したが、30代後半の時にX-JAPANのギタリストhideの誘いを受けて音楽事務所を設立した。「このアーティストに一生を捧げようと思っていた」その矢先にhideが死去。当時ケータイやPCがあまり普及していなかった頃から、hideはもうすぐインターネットやケータイで音楽を聴く世の中になると話してくれたという。「その言葉に背中を押された」とエムアップ設立の経緯を語った。また、講義の後半は、資本金の額から、役員の数、社長の給与、会社を法務局に登録する費用など、会社を作るためのイロハを述べつつ、さらに上場するためのポイントについても解説。なぜ上場を?という学生からの質問には「上場する目的のひとつは信用や信頼を得るため」だったと美藤氏。「音楽業界から参入してきた異質な存在というIT業界での私たちのイメージを払拭し、ビジネスとして成功させるためには必要だった」。自分たちで道を切り拓くベンチャースピリッツがヒシヒシと伝わってくる講義となった。

講師 美藤宏一郎さん

株式会社エムアップ 代表取締役

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美藤宏一郎さん

第15回 未来のラジオ放送

2016/1/19

最終回となる講義は、J-WAVE編成局次長 兼 編成部長の松尾健司氏が登壇。松尾氏はプロデューサーとしての立場から、音楽中心に番組を編成する都市型ラジオ放送局“J-WAVE”の紹介や、ラジオ番組の特性、ラジオ番組がどのように作られているかなど、ラジオというメディアの概略についてまずは解説。その上で、今回のテーマである『未来のラジオ放送』の内容へと進んでいった。ラジオ局の仕事の醍醐味は、「何かを伝えるために創意工夫するプロセスはもちろんですが、伝わったと実感できたきの喜びは格別」と語る松尾氏。ラジオ番組のプロデューサーに求められるのは「世の中の問題を探し、解決策=企画を生み出す能力」と述べ、企画書が書ける人は、どんな現場でも重宝がられるので、書ける能力を最上位に身につけたほうがいいとアドバイス。その上で「常識にとらわれない逆転の発想」「既存のもののカスタマイズ」「反対の角度から見たり、例えてみたり」「大げさにしてみる」「置き換えてみる」「やったことない方法でアプローチしてみる」など、自身が数多くの番組作りに活用した企画を立てるポイントについて伝授。企画力は才能ではなく後天的に身につけられるものであるから、愚直に積み重ねていくことが大事とのこと。「あきらめないで続けるパワーがミラクルを起こす!」と松尾氏。そして最後は、今日一番これが伝えたかったこととして、仕事選びに大切なのは「なりたい職業より、やりたいこと。好きを仕事にしよう」とのメッセージを学生に送って講義を終えた。

講師 松尾健司さん

株式会社J-WAVE編成局次長 兼 編成部長

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松尾健司さん

肩書きは講義当時のものです

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