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A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
提携講座/登壇講師インタビューseason 1

Interviewee

REC.004 増子直純さん

怒髪天(ロックバンド)
ボーカル

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CHAPTER.4
やっての後悔は一瞬、やらずの後悔は一生

― 震災後、何度も被災地に行かれているそうですね。

増子:震災直後、あの状況では音楽は何の役にも立たないと思った。だったら、音楽ではなく、しばらく休んで復興の手伝いをした方がいいと考えたりもしました。

― ずっと福島に行かれているそうですが?

増子:オレたちは、悲しい思い出を消すことはできないけど、じゃあ音楽で何ができるか突き詰めたら、自分たちが最大限にできることは、やっぱりバンドしかなかった。音楽の力で、楽しい思い出を一つ作れるんじゃないかと。だったらそのためだけでも、バンドをやる価値はあると、行動を起こしてから本当にそう思いました。

― ライブではいつも全力投球ですね。

増子:体を鍛えていても、ライブでは鍛えた以上のことをやってしまいます。今日は手渡したぞという確信がないと、満足いかないんです。たくさんのお客さんが来てくれて、やり切ったら、聴いた人がオレたちとは合わないと思っても、諦めがつきますよ。でも、余力を残して終えると、あのときもっとやっておけば、もっと伝わったのに、絶対伝わったのにって思うので、そう思わないように毎回全力を尽くしています。

― 今日の講義で、学生たちに、これだけでいいから今日は覚えていって欲しいと「やっての後悔は一瞬、やらずの後悔は一生」と話していただきましたが、今、それを思い出しました。

増子:これは本当にそうですよ。失敗して、やらなきゃよかったというのは一瞬のことです。でも、あのときやっぱりやっておけばよかった、というときのため息ほど長いものはない。だから、若い人たちには自分が面白いなと思う方へ行って欲しいし、ビビっても、そっちの方が乗り越える力も出てきます。

― 前向きになれます。

増子:人間って結構、強いものですよ。生きるっていうのは、人が言うほど甘くはないけど、自分が思うほど厳しくはないと思います。

― ありがとうございました。

(次回は、松尾健司(J-WAVE 編成局制作部長)さんです。)

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