A.C.P.C.提携講座 ライブ・エンタテインメント論
講義内容一覧 (2010年度 東京工科大学実施)
第1回 オリエンテーション
2010/9/29
全国コンサートツアー事業者協会の社会的な役割と音楽業界全体への貢献について説明がありました。コンサート業界、レコード業界の昨今の動向などについてのお話の中、チケット流通のあるべき姿やコンサート事業の文化的役割にも触れていただきました。
また、「ライブ・エンタテインメント論」講義全体のオリエンテーションとして、ライブ・エンタテインメント業界全体の状況について解説するとともに、本講義の趣旨に基づいて講義の概要やポイントの説明がありました。
講師 山崎芳人
ACPC会長/(株)キョードー東京 代表取締役社長
講師 反畑誠一
ACPC顧問/立命館大学客員教授/音楽評論家
第2回 メディア環境の変化とライブ・エンタテインメントの役割
2010/10/19
音楽コンテンツの専門チャンネルであるミュージック・オン・ティーヴィの経営戦略について、最近の音楽業界の状況を鋭く分析しながらの講義となりました。若者がTVや音楽プレイヤーから離れて、携帯電話やPCを使用するにつれ、パッケージメディアが苦戦する状況がよくわかりました。しかし一方では、「本当のエンタテインメント」を求めてライブ会場に足を運ぶファンの数は減ってはいません。日本のライブ・エンタテインメント業界は、海外の新たな市場を見据えながら、新しい通信技術などを巧みに取り入れた開拓戦術を創りあげることが重要だと語りました。
講師 御領博さん
(株)ソニーミュージックエンタテインメント コーポレイト・エグゼクティブ メディアビジネスグループ代表/(株)ミュージック・オン・ティーヴィ 代表取締役社長
第3回 ライブ・エンタテインメントの未来を考える
2010/10/19
これまでのライブ・イベント制作にあたっての実例や苦労話を紹介するとともに、音楽プロデューサーとしての在り方などについて講義を展開。また講義の後半では事前に集めた学生からの投稿に基づいて、学生のプレゼンテーションとディスカッションが行われました。これからのエンタテインメントについて「音楽療法への応用」「アーティスト・チャンネル」の提案など、斬新なアイデアも飛び出し、これからのライブ演出についても松任谷先生と学生のフレッシュなトークが行われました。
講師 松任谷正隆さん
音楽プロデューサー
第4回 都市型エンタテインメント空間の創造
2010/10/26
講義内容は、赤坂Sacasのプロジェクトを中心に、これからのメディア社会への発信力について。來住先生は音楽番組のディレクター、プロデューサーを経て赤坂Sacasを立ち上げ、その運営へと仕事の幅を大きく拡げました。赤坂Sacasで行われた数々のイベントは、まさにテレビの現場、クリエイティブな企画に現場としてメディア学部の学生が学ぶべき事例の宝庫です。いずれも「最高のものを求め続ける」という姿勢から生まれたものです。來住先生自身のハイレベルな体験談はこれから社会へはばたく学生らにとって刺激的なものとなりました。
講師 來住尚彦さん
(株)東京放送 赤坂Sacas推進部部長
第5回 ライブ・エンタテインメントの新世紀
2010/11/2
ライブ・エンタテインメントの草創期から巨大エンタテインメント産業に至るまでの歴史を振り返り、今後、日本におけるエンタテインメント・ビジネスがどのように発展していくべきかという講義になりました。講義の中ではアメリカのライブビジネスの変遷を辿り、それに続いてデジタルシネマの最新の技術動向についても講義されました。最近では3D映画が興隆ですが、北谷先生は昨年のこの講義で(アバター公開前)、早くも3D映画の可能性を指摘。今後のこのジャンルへの期待が高まる講義となりました。
講師 北谷賢司さん
ワシントン州立大学コミュニケーション学部教授
第6回 笑いとエンタテインメント
2010/11/9
講義内容は、ネット時代におけるライブ・エンタテインメントとしての「笑い」とこれからのビジネスの在り方について。吉本興業の劇場上演からラジオ進出への変遷。その後、つねにメディアの進歩とともに「お笑いの創造」の世界を築き上げてきた点。そしてテレビの普及とともに「お笑いコンテンツ」の最先端を走り続けた点。吉本興業が関西圏における劇場中心のビジネスから東京に軸足を移しながらの全国展開は、テレビネットワークの拡大とともに進んできました。しかし、ここへ来て急激にその環境が変化している「お笑い」コンテンツの流通とビジネス展開についても話が及びました。
講師 中井秀範さん
吉本興業(株) 執行役員 吉本お笑い総合研究所 副所長
第7回 表現者の視点
2010/11/16
シンガーソングライターとして活躍するかたわら、TwitterやUstreamを駆使したメディア表現で最先端を行くアーティストの広瀬香美さん。「表現者の視点」というテーマでアーティストという立場から、自らの体験談と新たな挑戦、音楽ビジネスの可能性についての講義となりました。より多くの人に歌を聴いてもらいたいという思いからTwitterやUstreamを活用。その中から、テレビなどのメディアではなく直接音楽を届けることで、自分自身がメディアになれることを発見されたとのこと。Twitterを実践的に使った講義に加えて、生演奏まで披露していただき、受講した学生はみな感動していました。
講師 広瀬香美さん
シンガーソングライター